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医院だより

第2回 ウイルス感染に効く食べ物とは?

こんにちは、理事長の工藤です。

「免疫力アップで新型コロナ対策」の続きです。

 

ウイルス感染は粘膜から!

 まず、ウイルスはどうやって人間に感染するのでしょうか。まずはウイルスは基本的に粘膜から侵入します。粘膜があるところとは、例えば鼻、目、喉などです。外界から細菌やウイルスが侵入する際、多くは粘膜から侵入します。逆に言えば、粘膜は普段から、細菌やウイルスが侵入してこないように、防御している部分でもあります。では、その粘膜を強くする方法はないでしょうか。この粘膜の免疫力を高めて、感染症にかかりにくくする医療分野を「粘膜免疫学」と言います。「栄養療法」に取り組んでいるお医者さん以外はほとんど知らない分野かも知れません。栄養療法についてご存じない方は当院のホームページをご覧ください。

 ■ウイルス感染に効く食べ物とは?

 粘膜は、①粘液層②糖衣③粘膜細胞の3つに分かれます。まずはこの中の「①粘液」のお話をします。まず、ウイルスや細菌が体内に侵入しようとすると粘膜の一番上にある「粘液」部分に付着します。粘液があることによって、異物をそこで捕まえて、外へ排出することができます。それがいわゆる鼻水や涙や痰になります。「粘膜免疫学」においては「粘液の無いところに、粘膜の防御は成立しない」という言葉があるくらいです。つまり「いかに粘液を潤沢に、かつ、質の良いものにするか」が、感染症予防では重要となります。 

潤沢で良質な粘液を作るには

 粘液は「ムチン」という糖たんぱく質で主にできています。タンパク質が主成分ですので、体内に十分なタンパク質が無いと作れません。そのためタンパク質の摂取が必要となります。まずは、お肉、魚、卵などの十分な量の動物性たんぱく質の摂取が必須です。さらに、ムチンには「S-S結合(エスエス結合)」と呼ばれる部分があり「硫黄」を必要とします。そのため良質なムチンを十分に産生するには「硫黄」を多く含む食物の摂取が必須となります。具体的にはお肉、魚、卵などの動物性タンパク質の中に多く含まれています。また魚介類の中では、イカ、ほたて、タコなどに多く含まれているようです。その他に硫黄が多く含まれる食物は豆類、長ネギ、にんにく、アスパラガスなどに多く含まれています。反対に、先ほど挙げたもの以外には硫黄はほとんど含まれていません。以上のことから、「潤沢で良質な粘液を作るため」には、①動物性タンパク質を多く摂取する具体的には、お肉、お魚、卵、イカ、ホタテなど②野菜は長ネギ、ニンニク、豆類、アスパラなど摂取することの2点が重要になります。

 全国的には緊急事態宣言が解除になってきている地域も出てきていますが、海外などでは外出制限を解除した途端に、大規模感染が発生する例が増えています。また夏にはいったん落ち着いても、秋から冬にかけてまた第2波、第3波が襲ってくる、という専門家も多数います。まだまだ油断せず、体内の自己免疫力を高めることで、コロナウイルスをはじめとする感染症予防に取り組んでいきましょう! 

次回はさらに免疫力を高める方法、第2弾をお伝えします。