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医院だより

第24回 『同じステロイドなのに効果が違う!?』

こんにちは、理事長の工藤です。前号では 「ストレスで皮膚病は悪化・発症する」についてお話ししました。今回は、「同じステロイドなのに効果が違う!?」についてお話します。

■同じステロイドなのに効果が違う!?

今日のお話を知っていると病院で塗り薬をもらうときに役に立ちますので是非参考にしてください。 

例えば、ステロイドの中には「ネリゾナ」という塗り薬があります。しかし、ネリゾナでも、ある「ネリゾナ」と、また別の「ネリゾナ」では効果が違うんです。「えっ、不良品ってことですか!?」と思われた方もいらっしゃるかも知れませんね。しかし、そういう訳ではありません。

これは、結論から言うと、ステロイドの塗り薬の「剤形」によって効果が違うということです。 「剤形ってなに?」と思われた方も多いと思いますので説明します。塗り薬を何度かもらったことがある方や化粧品を日常的に使用される女性の方は経験的にご存知と思いますが、塗り薬によって、「使用感」が違いますよね。伸びの良いクリーム状のものはさらっとしていて塗りやすいですよね。

しかし、べたつく硬い塗り薬などもあります。さらには液体タイプのローションもありますよね。これらが「剤形」です。 剤形を大きくわけると「軟膏」「クリーム」「ローション」に分かれます。(細かく分類すると他にもっとありますが、ここでは割愛します。)それぞれの特徴を順に説明します。

(1)軟膏:透明から半透明でやや硬いタイプです。皮膚の保護作用に優れており、刺激が少ない、と言われています。ただし、欠点としてはべたつくため、あまり塗り心地は良くないです。 

(2)クリーム:乳化され油と水分が混ざっており、見た目は白いです。伸びがよいので広い範囲に塗りやすいです。べたつかないので上から服を着るときも着やすいです。ただし、軟膏よりは刺激が強い場合もあります。ですので、じくじくしているところや皮がむけているところなどにはあまり使用しません。 

(3)ローション:液体に薬剤を混ぜてあるものです。クリームよりさらに水分が多くほぼ液体そのものです。ですので、髪の毛が生えている頭皮などに最適です。頭にクリームや軟膏をぬるとどうしてもべたついてしまいます。そういう時はこのローションが最も塗りやすいです。ただし、刺激が最も強いです。じくじくしたところ、ひっかいた部分、などに塗ってしまうと、非常にしみますので注意が必要です。 

これらの「剤形」を知っていると、病院でお薬をもらったときに「クリームタイプの保湿剤が良いのですが・・・」と希望を伝えることもできます。 また、「ローションタイプだからこのひっかいた部分には塗れないなぁ」といった判断も事前にできるかと思います。(皮膚科医はこういうことがないように考えて処方しているのですが・・・)ですので、これを知っているだけで役に立つと思います。