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医院だより

第27回 『水いぼは取ったほうがよいのですか?』

こんにちは、理事長の工藤です。前号では 「注意!あなたの足は本当に水虫ですか?」に ついてお話ししました。今回は、「水いぼは取ったほうがよいのですか?」というお話をします。

「水いぼ」は取ったほうがよいのですか?

「そもそも、水いぼって取ったほうがよいのですか?」とよく聞かれます。

結論から言うと、取るのも取らないのも「どちらもアリ」です。実際、「取ったほうがよい」という先生もいれば、「取らないで様子を見たほうが良い」という先生もいて、ここは医師によっても意見が分かれます。

 水いぼは、実は、平均6ヶ月前後で自然消退すると言われています。約90%が1年以内に自然に消える、というデータもあります。それだけ聞くと「じゃぁ放っておいたほうが良いですよね!」と思われるかも知れません。

しかし、必ずしもそうともいえない現実があります。 

まず、水いぼが自然に消えるのには個人差があります。確かに、早いと1カ月で消えることもありますが平均の半年を越えて、1年以上もどんどん水いぼが増え続けるお子さんも実は結構多いんです。

医師に「水いぼはそのうち消えるから大丈夫。放っておいてください」と言われ、実際に放っておいたら、水いぼが顔にも沢山でて、かゆみもでて、背中の水いぼはどんどん大きくなって・・・と、慌てて助けをも求めて皮膚科にいらっしゃる方も少なくありません。なので、「取らないで放っておく」ことのリスクをよく理解しておく必要があります。

具体的には、 

・どんどん増えて、顔にもできるため、目立ってしまう

・水いぼの部分に湿疹ができて、かゆくなる

・兄弟や、他のお子さんにうつしてしまい、嫌がられる

・どんどん大きくなる場合がある(えんどう豆大になることもある)

・大きくなるとつぶれたときに跡になって残ってしまう

 などです。

しかし、処置のときにどうしても痛がって暴れてしまう場合や、もともと恐怖心が強いお子さんなどはそれが原因で病院嫌いになってしまうお子さんもいます。前述のとおり、実際にすぐに消えてしまう場合もありますし、絶対治療しないと命にかかわる病気ではないので何もせず放っておくという選択肢は、それはそれで「アリ」です。

他の病気でもそうですが、どちらの治療法のリスクもしっかり認識した上で主体的に治療法を選択していくことはとても大事なことだと思います。水いぼの場合、「これが絶対!」という治療法はないので、お子さんの性格、痛がり方や、水いぼの数、水いぼの大きさなどを踏まえて、ケースバイケースで治療法を判断していくと良いでしょう。 

当院では、痛みが苦手なお子さんの治療もしています。処置の前に、痛みを軽減させる麻酔のシールを貼って治療したり、お家でできる処置方法や、専用のクリーム(保険外)を塗っての治療などがありますのでご相談ください。