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医院だより

第30回『おなかの金属アレルギー』

こんにちは、理事長の工藤です。前号では 「【脂漏性皮膚炎】おでこにカサカサしたフケと赤みがでました 」というお話しをしました。

今回は、「おなかの金属アレルギー」についてお話ししていきます。

金属アレルギーを引き起こすものには、いろいろなものがあります。

わかりやすくて身近な例でいうと、ピアス、指輪、ネックレス、などのアクセサリー類が原因となることが多いです。

アクセサリーをしている部分だけが局所的にかぶれてしまいます。これを「局所性金属アレルギー」と言います。

 気付きにくい金属アレルギーの例として「バックル皮膚炎」という症状があります。

ベルトのバックルに対する金属アレルギーで起きる皮膚炎です。お腹の中央部に繰り返し湿疹ができるのが特徴です。

特に夏の間だけ症状がでる場合が多いです。汗をかくことにより、バックルの金属が溶出して症状を起こします。「ニッケル」という金属が原因であることが多いです。

しかし、実際に湿疹が出ている本人は案外気づかないものです。日常的に使用しているものほど原因として気付きにくいんです。

一番の対策としては、金属製のバックルを使用しないことで、湿疹は出なくなります。

ただし、体型的な問題やファッション性の点から「ベルトを全く使用しない」のは難しい場合もあります。その場合、小さいバックルのベルトに変更したり、プラスチック製の製品に変更する方法もあります。

ベルトと地肌の間にTシャツなど着ているものをはさんでかぶれを防ごうとする方もいますが、実際は結局かぶれてしまうことが多いようです。汗で金属成分がしみ出してしまうからでしょう。

さらに意外なところでは、ジーンズのファスナーの裏側にある金属製のボタンでかぶれるケースもあります。

バックルを非金属製品に変えても湿疹を繰り返す場合は注意してみてください。 金属アレルギーの一番の対策は、あくまで「原因となるものを避ける」ことです。

これは、一見当たり前のことのようですが、実際はなかなか難しいようです。

とわかっていても、ファッション性を重視して金属製のものを使用し続ける方も少なくありません。

確かに、お気に入りのピアスやベルトをもう使用できない、となるとちょっとさびしいですよね。

難しいところではありますが、ご自分の体を大切にすることもまた大事なことだと思います。 ご自身に金属アレルギーがあるかどうかご心配な場合、パッチテストという方法で検査します。