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医院だより

第33回『乾燥肌は○○を見ればわかる』

こんにちは、理事長の工藤です。前号ではこんにちは、理事長の工藤です。「ステロイド軟膏の使い方」についてお話ししました。今回は、「乾燥肌は○○を見ればわかる」というお話をします。

あなたは乾燥肌ですか?

 皮膚科を受診される方の中には、乾燥肌をお持ちの方が非常に多いです。乾燥肌というと、「皮膚がカサカサして粉をふいて…」というイメージを持たれる方も多いですが、乾燥肌による症状はそれだけではありません。例えば『貨幣状湿疹』という、かゆみの強い湿疹を引き起こすこともあります。また、ニキビの原因が、実は顔の乾燥だった、ということもあります。また、お子さんの場合、「水いぼ」や「とびひ」、「食物アレルギー」といった、一見、乾燥肌とは、全く関係のなさそうな疾患も、実は、ベースに乾燥肌が存在することが遠因だったりもします。ですので、乾燥肌があれば、まずはしっかり「保湿剤でスキンケア」を継続して行うこと重要です。乾燥肌によって引き起こされる他の様々な病気を予防できます。 お子さんの場合は、うでや体などを触ると、一見何もなさそうな皮膚でも、わずかにカサカサしていたりするので、乾燥肌だと分かることが多いです。しかし、軽度の乾燥肌の場合、お母さんやお父さんが「自分のこどもが乾燥肌だ」とは、全く気づいていないことも少なくありません。というのも、乾燥した肌が、もう何年も同じ状態で続いているために、「うちの子の肌はこれが当たり前だ」と思ってしまうわけです。ですので、皮膚科を受診した際に、あなたやあなたのお子さんが「まずは自分の肌が乾燥肌である」ということを、自覚することが治療の第一歩となります。

■乾燥肌は○○を見ればわかる 

お子さんの場合は、全身を触ってみると、乾燥肌か否か、だいたいわかるのですが、成人の場合はどうでしょうか。成人は、体表面積が大きいので、診察中になかなか全身を触診するのは現実的ではありません。しかも上半身は比較的汗をかきやすいので、乾燥肌かどうかは、判別しにくいです。お顔も、女性であればメイクをしていてわかりにくいですし、男性でも顔だけ皮脂が多い場合も多く、乾燥肌かどうかわかりません。そこで、乾燥肌があるかどうか。それを見抜くのに一番わかりやすいのは、実は、「すね」です。医学的にはすねのことを「下腿(かたい)」と言います。このすねの前面をよく見てみると、乾燥肌の方はわずかに、「さざ波のように、横方向に薄いしま模様」があります。もしくは、「さかなのウロコのように、網目状にうすい線が入っている」場合も多いです。これはれっきとした乾燥肌のサインです。これは、すねの部分に汗腺が少なくて、発汗量が少ないのかもしれません。あるいは、すねは比較的、服などで覆われていないことが多く、露出していて外気に触れやすいため、乾燥しやすいのかもしれません。そう考えてみると、たしかに、顔は比較的皮脂が多いですし、体や手足などは、比較的、汗をかきやすい部位ですが、「私『すね』だけ沢山汗をかくんです」という人はいません。角度的に、ちょっと自分では見にくいかもしれませんが、よかったら、一度、あなたの「すね」を確認してみてください。「えっ、私は今まで一度も乾燥肌だと思ったことはないです」という方でも、すねをよく見ると、乾燥肌のサインが隠れている場合があります。