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医院だより

第38回『水虫薬の塗り方にはコツがあった!?』

こんにちは、理事長の工藤です。

前号では、「あまりにも意外で単純な虫よけ法」についてお話ししました。今回は、「水虫薬の塗り方にはコツがあった!?」というお話をします。

 

■水虫薬の塗り方にはコツがあった!?

暑い時期は、靴の中が蒸れてしまうため、水虫が繁殖しやすい時期です。あなたやご家族のどなたかも、皮膚科で水虫のお薬をもらっていたり、あるいは、近くのドラッグストアで水虫のお薬を買って使用しているかもしれません。しかし、塗り方にコツがあるのをご存じでしょうか?このコツを知らないとせっかく塗ってもなかなか治らなかったり、治ったと思っても、すぐ再発してしまう可能性があります。ですから、水虫の方は是非覚えておいてください。

 ■水虫のお薬の正しい塗り方とは?

・「塗る回数は?」1日1回です。早く治したい、との思いから、1日3回も塗る方もいらっしゃいますが、実は、「塗る回数を増やしても治療効果は変わらなかった」という研究結果があります。ですから、水虫のお薬の塗り方は、「1日1回」となっているのです。それ以上塗ってもお薬のムダですので、1日1回の使用法を守りましょう。 

・「塗るタイミングは?」お風呂上がりは、足の裏の角質が柔らかくなっており、お薬が浸透しやすいです。ですから、「入浴後」に外用するのが効果的です。他の時間に塗ってはいけない、というわけではないので、前の晩に塗り忘れた方は、翌朝やお昼など、気が付いたときに塗っても良いです。

・「塗る範囲は?」これはご存じない方も多いので、かなり重要です!水虫は実際の見た目より広い範囲に繁殖しています。見た目に「皮がむけている」範囲だけではなく、その周りの、一見正常に見える皮膚にも菌が沢山いるんです。ですから、見た目の皮がむけているところだけ塗っても、周りの菌が再増殖して結局治らなかったり、再発してしまいます。見た目より、ひとまわりも、ふたまわりも広く塗ってください。例えば、「薬指と小指の間」が、皮がむけて水虫になっているとすれば、「一見正常に見える全ての指の間」にも薬を塗った方が良いです。しかも、足の裏の前の方も全体的に塗った方が良いでしょう。「とにかく水虫と診断されたら、指の間全てと、足の裏全体に塗った方が良い」という医師も多いです。とにかく「広め広め」に外用した方が良いです。でないと菌が生き残って、いつまでたっても治らなかったり再発してしまいます。とりあえず「足首から下全体に塗る」というくらいの感覚で広く塗ってください。 

・「塗る量は?」これに関してはあまり厚くべたべたになるほど塗る必要はない、と言われています。薄めであっても、充分、水虫をやっつける効果があることがわかっています。使用量は、「1本10g」の水虫薬を「1週間」で使い切るのが目安です。

 ・「塗る期間は?」最低3ヶ月です。これには落とし穴があります。実は、水虫は塗り始めて2週間くらいで一見よくなって、治ってしまったように見えてしまうことがあります。そこで塗るのをやめてしまうと、実は菌が生き残っていて再発してしまう、という訳です。原則として3ヵ月は外用した方が良いでしょう。

 いかがでしょうか。案外、水虫薬の塗り方ひとつでも奥が深いです。水虫の方は早速これらに注意して外用してみてください。そして、ご自分が水虫でなくても、ご家族や知人が水虫である場合は是非、この内容を伝えてあげてください。