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医院だより

第45回『最適なお風呂の温度は何度?』

こんにちは、理事長の工藤です。

「うちの子、耳の下がくり返し切れるんです」についてお話ししました。

今回は、「最適なお風呂の温度は何度?」というお話をします。

1日で一番かゆみを感じるのはどんなとき?

突然ですが、あなたにひとつ質問です。「アトピーのお子さんが、 日常生活で一番かゆがるとき」は一体どんなときでしょうか?これは2003年の論文で「お風呂に入っているとき」である、ということが明らかになりました。(ちなみに第2位は「寝ている時」でした) 乾燥肌のお子さんなどは、「お風呂に入れた途端に全身をかきむしる」ということも少なくありません。やはり、入浴したりお布団に入ったり、結局は「体温が上がる」とかゆみが増してしまうんですね。アトピーに限らず、じんましんやあらゆる湿疹においても、体温が上昇するとかゆみが増してしまいます。これは人体にとって避けられない生理現象としての部分もあります。かくいう私も、お風呂に入ると、からだをポリポリかいてしまうことが結構あります。 

■最適なお風呂の温度は何度?

そこで、かゆみを感じにくくするために、「少しお風呂の温度をぬるめにする」のがオススメです。では一体何度が良いのでしょうか!?研究によると、かゆみ対策のベストなお風呂の温度は、「38~42℃」が良いとされています。春から秋にかけては、38~39℃あたりに設定するのが良いでしょう。 しかし「真冬」に38度だとかなり寒く感じる可能性もあります。湯ざめして風邪をひいてしまってもかえって良くありません。その場合は40~42度までは温度を上げても良いです。ただし、43℃以上にしてはいけません。43℃以上になるとかゆみの神経が刺激されてしまいかゆみが悪化することが研究で判明しています。すので、特に、「あついお風呂が好きなんです」という方は要注意です。地域差や、季節の気温とも関係しますし、感じ方には個人差もあります。ですので、そのときどきでお風呂の温度を自分で調整することが大事ですが、その際のひとつの目安にしてください。 お風呂に「追い炊き機能」や「温度設定」がついてない場合は、「湯温計(ゆおんけい)」というお風呂の温度をはかる体温計のようなものがあります。安いものですと500円程度で買えますので一度試してみてください。 「お風呂入るといつもかゆくなるんです!」とおっしゃる方は多いですが、意外にこの、「ちょっとだけお風呂の温度を下げてみる」ことは見落としがちだったりします。乾燥肌のお子さんをお風呂に入れる際にも、温度を意識してみてください。特に準備もいらないので、オススメです。