こんにちは、理事長の工藤です。
前号では、「50歳過ぎたら帯状疱疹予防はコレ!」についてお話ししました。
今回は、「食事中、友人が突然意識を失って倒れました」というお話をします。
あなたは友人とレストランで、ディナーを食べていました。
すると、食事の最中、突然、友人が目の前でバタッと倒れてしまいました!どうやら意識がないようです!一体、原因はなんでしょう?そう言えば以前、この友人は「私はピーナッツアレルギーがあるの」と言っていたのをあなたは思い出しました。
・・・そうです。この方は食物アレルギーだったんです。レストランの食べ物の中に、ピーナッツが含まれていたんですね。
これはアレルギーの中で最も重症な「アナフィラキシーショック」という症状です。もちろん、食物アレルギーにも色々な症状があります。必ずしも、このように突然意識を失って倒れるわけではありません。
この「アナフィラキシーショック」という重症パターンは、頻度としては、むしろ稀だと言って良いでしょう。ほかには、アトピー性皮膚炎のような症状や、鼻炎のような症状のこともあります。また、腸炎の症状を起こすこともあります。食物アレルギーでどんな症状が起こるのか覚えておくと、非常に役立ちます(^^)
食物アレルギーの症状は主に、(1)皮膚症状 (2)呼吸器症状(3)消化器症状(4)アナフィラキシーの4つに大別されます。以下にそれぞれ解説します。
(1)皮膚症状
皮膚症状では、・じんましん ・湿疹 ・アトピー性皮膚炎など、”かゆいぶつぶつ”が出ることが多いです。治りにくい顔の湿疹が、実は食物アレルギーが原因だったり、アトピー性皮膚炎を悪化させる一因になっていたりもします。また、じんましんもよくあります。特に重症だと、全身にじんましんが出て、顔全体や体ががむくんでしまうこともあります。
(2)呼吸器症状
呼吸器とは、口からのど、肺に至る空気の通り道の部分のことです。呼吸器症状では、・鼻水、鼻づまり、くしゃみ・のどの奥の不快感、違和感・ぜんそくのようなゼーゼーした呼吸(喘鳴:ぜんめい)などがあります。要するに、鼻炎のような症状や喘息のような症状が出ます。重症になると、呼吸困難になって救急病院に運ばれる事もあります。
(3)消化器症状
吐き気、嘔吐・下痢・腹痛などです。腸炎を起こします。
(4)アナフィラキシー
(1)~(3)の症状の他に、急に血圧が下がってショック状態になったり、それによって意識を失って倒れたりします。
・・・・いかがでしょうか?食物アレルギーと言っても、症状は多彩ですよね。