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医院だより

第54回『ストレスで皮膚病は悪化・発症する(1)』

こんにちは、理事長の工藤です。

前号では、「とびひとは?」についてお話ししました。

今回は、「ストレスで皮膚病は悪化・発症する」というお話をします。

■ストレスで皮膚病は悪化・発症する 

皮膚の病気は「精神的なストレス」や「疲れ」などと非常に関係が深いです。 もちろん、それが全てではありませんが患者さんと日々接している感触からすると、実際に、西洋医学で一般的に言われているよりもずっとずっと深く、メンタルと皮膚病は関連していると感じます。

 例えば、アトピー性皮膚炎などでは精神的なストレスがあると湿疹が悪化する場合があります。 また、精神的な疲れや、強いストレスがかかることで、蕁麻疹が出てくることもあります。 蕁麻疹というとすぐに「食べ物」が原因だと思われがちですが食べ物が原因であることはそれほど多くはありません。疲労やストレスなどで発症することも多いのです。

 また、口唇ヘルペスや帯状疱疹などウイルスもストレスや疲労で発症します。ヘルペスや帯状疱疹の原因となるウイルスはふだんは体内に潜んでいます。 免疫力がしっかりあれば原因ウイルスは抑えられており、無症状です。しかし、精神的なストレスや疲れがたまり、体の免疫力が低下すると、潜んでいたウイルスが再活性化し口唇ヘルペスや帯状疱疹というかたちで発症します。 

職場の部署が移動になったり、遠方へ転勤になって、急に体に湿疹がでる方も多いです。また、嫁姑関係や、友人関係、学校での問題、妊娠や子育ての問題などで、皮膚症状がでる方もいます。 無理して頑張りすぎている方や、ストレスを感じつつも、黙って我慢しながら生活している方に多いようです。 私自身もストレスや疲れているときに皮膚の症状が出たことが何度もあるので、よくわかります。

 実際に診察をしていて、「明らかに精神的なストレスから皮膚の症状が発症しているなぁ」と感じ、患者さんに「何か疲れていたり、ストレスはありませんか?」と聞くと答えは2つに分かれます。 ひとつは、「そうなんです、実はすごくストレスがあって・・・・」という場合。 もう一つは「えっ、全然ストレスなんか無いですね。」という場合です。 この場合、後者の方にお会いすると、いつも心配になってしまいます。 

次月号では、「ストレスを自覚する」ことをテーマに続きのお話をします。