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医院だより

第60回『【脂漏性皮膚炎】おでこに カサカサしたフケと赤みがでました(前)』

こんにちは、理事長の工藤です。
前号では、「紫外線は曇りの日の方が危険!?」についてお話ししました。今回は「【脂漏性皮膚炎】おでこにカサカサしたフケと赤みがでました(前)」のお話をします。

■【脂漏性皮膚炎】おでこにカサカサしたフケと赤みがでました

日常的に非常によくみる病気で、男性だけでなく女性も発症します。というのも、この病気になると、顔に赤い湿疹が出て、そこにかさかさしたフケもでるため、外見的に問題になることが多いからです。

では、まずは典型的な症状からお話します。
顔の「額」、特に「髪で覆われた部分」「髪の生え際」や、「眉間」「鼻の周り」などに赤くてカサカサしたフケを伴う湿疹ができます。かゆみを伴うことが多いです。

たいていは、顔だけですが、稀に、ワキや体にも広がることがあります。顔には「脂漏部位(しろうぶい)」というのがあります。皮脂が出やすく、テカリやすい部分ですね。
女性の方は「Tゾーン」と言えばすぐにわかるかと思います。具体的には、額、眉間、鼻のあたりなどです。この部分は「脂腺」という皮脂を産生する器官が多く存在するので、どうしても皮脂の分泌量が多くなります。

この皮脂が皮膚の上で分解されると、刺激になります。ここに、「マラセチア」という皮膚の常在菌が増殖してさまざまな反応や刺激を起こして、脂漏性皮膚炎になると考えられています。この原因とされる「マラセチア」は真菌(カビ)の一種です。「えっ、カビですか!さわったらうつるんですか?」と心配される方もいらっしゃるかも知れません。

しかし、この菌は常在菌なので、あなたの皮膚にもいます。普段は特に悪さをするわけではありません。ですから、人にうつることはありません。皮脂の分泌が増加すると、この菌が増殖するようです。皮脂の分泌が多くなる原因として、ストレス、睡眠不足、多量の汗、食事の偏り、化粧品などが挙げられます。また、体質的に皮脂が多い、いわゆる「脂漏体質」も関係します。

次回、「【脂漏性皮膚炎】おでこにカサカサしたフケと赤みがでました(後)」で■脂漏性皮膚炎の治療と再発予防のポイントをお話します。