こんにちは、理事長の工藤です。
前号では、「免疫力アップの方法とは!」についてお話しました。
今回は「免疫力アップの方法とは!(続)」のお話をします。
■ウイルス感染に効く食べ物とは?
粘膜は、
1)粘液層
2)糖衣
3)粘膜細胞
の3つに分かれます。
まずはこの中の「(1)粘液」のお話をします。
まず、ウイルスや細菌が体内に侵入しようとすると粘膜の一番上にある「粘液」部分に付着します。
粘液があることによって、異物をそこで捕まえて、外へ排出することができます。
それがいわゆる「鼻水」や「涙」や「痰」になります。
例えば、花粉症などで鼻水や涙が出るのは、花粉を異物と認識して、体の外に排除しようとしている作業な訳です。
「粘膜免疫学」においては、『No mucus , No protection』(粘液の無いところに、粘膜の防御は成立しない)という言葉があるくらいです。
つまり、「いかに粘液を潤沢に、かつ、質の良いものにするか」が、感染症予防では重要となります。
■潤沢で良質な粘液を作るには
粘液は「ムチン」という糖たんぱく質で主にできています。
タンパク質が主成分ですので、そもそも体内に十分なタンパク質が無いと作れません。
そのためタンパク質の摂取が必要となります。
まずは、「お肉」「魚」「卵」などの十分な量の動物性たんぱく質の摂取が必須です。
さらに、ムチンには「S-S結合(エスエス結合)」と呼ばれる部分があり「硫黄」を必要とします。
そのため良質なムチンを十分に産生するには「硫黄」を多く含む食物の摂取が必須となります。
具体的には「お肉」「魚」「卵」などの動物性タンパク質の中に多く含まれています。
また魚介類の中では、「イカ「「ほたて」「タコ」などに多く含まれているようです。
ですのでいずれにしろ、感染症予防には動物性タンパク質が必須であることがわかります。
その他に硫黄が多く含まれる食物は「豆類」「長ネギ」「にんにく」「あさつき」「アスパラガス」などに多く含まれています。
昔から、「風邪にはニンニクが良い」とか「風邪をひいたら首に長ネギを巻く」などの言い伝えがあった地域もあるようです。
こういった科学的な意味が、長年の生活の知恵として理解され、残っていたのかも知れません。
反対に、先ほど挙げたもの以外の野菜、果物、イモ類、キノコ類には硫黄はほとんど含まれていません。
まとめますと、以上のことから、「潤沢で良質な粘液を作るため」には、
1)動物性タンパク質を多く摂取する
具体的には、お肉、お魚、卵、イカ、ホタテなど
2)野菜は長ネギ、ニンニク、豆類、アスパラ、あさつき
など摂取することの2点が重要になります。
これから気温差により、体調を崩す方が増える季節になります。
体内の自己免疫力を高めることで、感染症予防に取り組んでいきましょう!