医師で作家の鎌田實さんが実践しているのが、「朝タンパク質習慣」です。そもそも 50 歳くらいから毎年1%ずつ筋肉は減っていくので、筋肉を維持して鍛えることが必要です。そのためには、筋肉の材料となるタンパク質を意識的に摂ること。脂質や糖質は摂りすぎると体に貯蔵されますが、タンパク質は余った分は排出され、貯蔵できません。タンパク質が不足すると今ある筋肉が分解されて使われ、筋肉量が減ってしまいます。
とくに朝にタンパク質を摂ることが大切なのは、そのあと、体を動かすことが多いから。朝食のあとで掃除をしたり、ウォーキングをしたり、筋トレ体操をしたりすることで、摂取したタンパク質が筋肉に変わるのです。
時間栄養学でもタンパク質は朝から昼にかけて吸収されやすいことがわかっています。逆に、細胞を肥満化させる「ビーマルワン」という時間遺伝子は夜に働きます。夜、食べすぎると太るのはそのためです。
さて、鎌田さんの朝タンパク質習慣をのぞいてみましょう。朝は2種類以上の食材からタンパク質をとります。具体的には卵を毎朝1~2個食べます。ゆで卵をはじめ、みそ汁に卵を落としたり、具たっぷりのオムレツにするなど、気分によって変えるのだとか。卵のコレステロールを気にする人がいますが間違った情報で、毎食1個食べてもOK。筋肉を作るのに必要なアミノ酸の「BCAA」をはじめ、さまざまな栄養を含んでいます。
また、鎌田さんが注目しているのがカニカマや魚肉ソーセージです。豚肉のソーセージにくらべてカロリーや脂質が少ないのがメリットで、タンパク質を手軽に摂取できるのでおすすめ。ほかに、サバ缶など、魚の缶詰を利用するのもいいでしょう。青魚にはタンパク質だけでなく、血液をサラサラにする EPA や DHA が豊富に含まれています。「朝タンパク習慣は続けることが大切で、食事はズボラでいい」と鎌田さんは話します。