BLOG
医院だより

第46回『あなたの手荒れが治らないワケ』

こんにちは、理事長の工藤です。

「最適なお風呂の温度は何度?」についてお話ししました。

今回は、「あなたの手荒あれが治らないワケ」というお話をします。

■「外部からの刺激をさける」

 そもそも、手あれになる多くの方は、水仕事など手の乾燥や刺激をうけやすい生活をしていることが多いです。ですので、外からの刺激をへらすことが重要になります。刺激の原因が明らかになった場合は、それを除去することで手あれはなおります。

一番の治療法はいつでも「根本原因の除去」です。 例えば、シャンプーや石鹸、あるいは仕事で使う金属や化学物質など、何が原因かを皮膚科では「パッチテスト」という手法で、特定することができます。それを除去したり避けることで症状が劇的に改善します。ご希望の方は本院で相談してみてください。

刺激物が特定できなかったとしても、手洗いなどの手を使う行為を減らせば減らすほど症状は改善します。また、職業がら、手を頻繁に洗う方は、定年や転職などで現在の仕事をやめるとすっかりよくなってしまうこともあります。ですので、極端な話、手あれで悩んでいる方は、全員が仕事をやめて(主婦の方は家事をやめて)、まるでお姫さまやお殿様のような生活ができれば全員の手あれは完治するわけです。

 「仕事をやめてください。はい、これで手あれの治療は終了!」・・・と言いたいところですが・・・これはあまりに非現実的です。 いくら根本原因が仕事や家事だとしても、実際の生活があるので、そういうわけにはいきません。 ここが手あれを根本から治すのが難しい(つまりあなたの手あれが繰り返してしまう)理由のひとつです。ですので、手袋をつけて水仕事をする、手洗いの回数をへらす、手指消毒の回数をへらす。 主婦の方であれば、ゴム手袋をする、食器洗浄機を購入する、など、まずは、出来る範囲の対策を実行していくことが大事です。

 注意点としては、水仕事をする場合は、直接水に触れないようにしゴム手袋をするとよいのですがゴム手袋の刺激で、かえって手あれがひどくなる方も多いです。そういう場合は面倒ではありますが、「綿の手袋の上にゴム手袋をし、二重にする」という方法がおすすめです。しかし、これらの努力は、正直かなり面倒です。いちいち、主婦が水仕事のたびに綿の手袋をして、その上にさらにゴム手袋をするのはかなり億劫です。 ですので、「自分が面倒なことにどこまで自分が取り組めるか」をきちんと認識しながら取り組むこともポイントです。