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医院だより

第73回『圧倒的にこどもに多いウイルス性湿疹』

こんにちは、理事長の工藤です。
前号では、「にきびは皮膚科の病気です」についてお話しました。
今回は「圧倒的にこどもに多いウイルス性湿疹」のお話をします。

■圧倒的にこどもに多いウイルス性湿疹

おとなは滅多に出ないのですが、圧倒的にこどもに多く出る湿疹のタイプがあります。
それが「ウイルス性湿疹」と呼ばれるものです。
もう少し広い意味で「急性湿疹」などと呼ばれる場合もあります。
この湿疹はいくつかのとても珍しい特徴があります。

■ウイルス性湿疹の特徴

原因の多くは、喉から入る風邪などのウイルスです。
ですので、まずは、そのウイルスが体に入って風邪のような症状を起こします。
そして、少し風邪症状が収まりかかったところで、「すこしワンテンポ遅れて」体中に湿疹が出てくるのが特徴です。
はじめは腕やおなかに出ることが多いです。
その後、徐々に、それまで出ていなかったふとももや、すねなどに拡大していきます。
「見た目が派手なわりにはあまりかゆみが無い」のもウイルス性湿疹の特徴です。
さらに、この湿疹のもうひとつの特徴として、多くの場合、出始めてから消えるまでに、だいたい「2週間程度かかる」ということです。
はじめの1週間で、どんどん体中に広がり、後半の1週間で、消えていきます。
そうして、合計2週間前後で、最後はあとかたもなく、消えてしまいます。

■こどもの湿疹がどんどん広がっていく!

特に、さきほどお話しした、「はじめの1週間は湿疹が拡大しつづける」というところが大きなポイントです。
というのも、多くは、湿疹が出始めてから「1~3日目」頃に、お母さんが心配して病院を受診するんです。
ですので、「ウイルスによる湿疹です」と診断された時点では、まだまだ「拡大の真っ最中」ということです。
よくあるパターンとしては、小児科などで「ウイルスによるものですね」と診断されたものの、「その後の経過」を全く説明されなかったため、
お母さんとしては、「さらにどんどん体に広がってきた!」と心配になって相談に来られるパターンが多いです。
当院では、この「前半の1週間で拡大、後半の1週間で消える」という経過を毎回必ず丁寧に説明します。
そのため、お母さんは、その後に拡大してきても、あまり心配なく過ごされるようです。
幸い、この湿疹は人にうつることは基本的にありません。
ウイルスそのものは風邪のウイルスなので、「風邪」はうつってしまうかも知れません。
ただ、ウイルスに感染したあとに、「湿疹が出るかどうか」は、あくまで個人の体質によります。
ですので、「湿疹自体が他人へうつる」ということはありません。
水ぼうそうや、風疹、はしかなどのように「学校を休む」という必要がないのは、お母さんとしては、かなり助かると思います。
とはいえ、水痘やサイトメガロウイルス感染症など、重大な病気や他人へ感染する湿疹の可能性もあります。
「あ、これはウイルス性っぽいから放っておこう」という自己判断は禁物です。
あくまで、湿疹が出たら、まずはきちんと皮膚科を受診してください。
そして、皮膚科で「心配ないタイプのウイルス性の湿疹」と診断されたら、そこで初めて、今回のお話の内容通り、
安心していただけたら、と思います。