BLOG
医院だより

第74回『かゆいときにどうして掻いちゃいけないの?』

こんにちは、理事長の工藤です。
前号では、「圧倒的にこどもに多いウイルス性湿疹」についてお話しました。
今回は「かゆいときにどうして掻いちゃいけないの?」のお話をします。

■皮膚科の先生に「かゆくてもかいちゃだめ!」って言われるんですがどうしてですか?

あなたも皮膚科のお医者さんに「かゆいときでも掻いちゃだめだよ!」と言われた経験はありませんか?
「そんなこと言われたってかゆくて我慢できません!」なんてちょっぴりムッとした方もいるかも知れませんね。

■かゆくても(できるだけ)掻かない方がよい2つの理由

現在、大きく分けて2つの理由から、 「かゆくても、(できるだけ)掻いてはいけない」 と言われています。
まずはそのひとつ目です。

【理由1】皮膚のバリア機能がますます壊されてしまう
そもそも皮膚はあなたの体を守ってくれる強いバリアの役目を持っています。
皮膚がなかったらバイ菌やゴミ、ホコリなどが全部からだの中に入ってきてしまいますよね。
皮膚は常にあなたを包み込んで守ってくれているわけですね。
この強力なバリアである皮膚ですが、あまりに強くひっかくと、もちろん壊れてしまいます。
掻きすぎて痛くなったり、血が出てしまうのはこのためです。
血がでる、ということはかなり深い部分まで皮膚を壊してしまったことの証拠なんですね。
そうすると、もともと湿疹やアトピーで弱くなっていたバリア機能がさらに壊され、外からの刺激に弱くなってしまいます。

【理由2】掻いた部分からますますかゆみ物質が放出される
皮膚をひっかくと、その壊された細胞や神経などからますます、かゆみを悪化させる物質が放出されることがわかっています。
そのため、掻いたことにより、炎症がますますひどくなり、かゆみが余計に悪化してしまうのです。
「かけばかくほど、ますます”かゆみ物質”が出てくる」なんてちょっとびっくりですよね!
これらの理由を知っていると、次の「イッチ・スクラッチサイクル」のことがよりよく理解できるようになります。

■恐怖の「イッチ・スクラッチサイクル(かゆみサイクル)」とは?

これまでお話した2つの理由から、かゆみを感じてひっかけばひっかくほどますますかゆみが増し、さらにひっかいてしまい、ますますかゆくなる、という悪循環におちいります。
つまり、
かゆい → ひっかく → 皮膚のバリア機能壊れる・かゆみ物質の放出 → さらにかゆくなる! → ますますひっかく! → ますます皮膚のバリア機能壊れる・かゆみ物質の放出!
というサイクルにおちいってしまいます。
これを「イッチ・スクラッチサイクル」と呼びます。
「イッチ」とは「かゆみ」という意味です。
「スクラッチ」とは「ひっかく」という意味です。
簡単に「かゆみサイクル」なんて言うこともあります。