BLOG
医院だより

第42回『陰部の赤みがじつは皮膚ガン!?』

こんにちは、理事長の工藤です。

前号では、「爪切りもできます」というお話をしました。

今回は、「陰部の赤みがじつは皮膚ガン!?」というお話をします。

 

陰部の赤みがじつは皮膚ガン!? 

今日は、ちょっとだけ要注意な皮膚ガンのお話です。乳房外Paget癌(にゅうぼうがいパジェットがん。もしくは、にゅうぼうがいページェットがん)と呼ばれる皮膚ガンの一種があります。これは主に、高齢者の外陰部や肛門周囲に発生する皮膚ガンです。まれに脇の下にも発生します。このガンが怖いのは、その症状です。といっても「ものすごい見た目の症状」が出るわけではありません。 

 

■乳房外Paget癌の症状とは? 

むしろ乳房外Paget癌の症状は「単なる赤み」であることが多いのです。では、何が怖いのか。実は、症状が「単なる赤み」でしかないので、ちょっとした「股間の湿疹」や「陰部の湿疹」と見分けがつきにくい点なのです。つまり、注意していないと「湿疹」と間違われて、ガンが見逃されてしまう危険が高いのです。ですので、鼠径部(そけいぶ)と言われる、いわゆる「股」の部分や、男性の陰嚢・陰茎、あるいは女性の外陰部に赤みが繰り返して、なかなか治らない場合は、要注意です! 

 

■乳房外Paget癌の検査と治療は? 

検査は「皮膚生検」といって、実際の症状部分の皮膚を3~4ミリ程度、一部取ります。そして「病理検査」という、細胞1個1個を調べて、癌細胞がいないかチェックします。治療は基本的に「手術」となります。クリニックレベルでの治療の範囲を超えてしまうため、「乳房外Paget癌」と診断がついた時点で、通常は、大きい設備の整った病院へ紹介されることになります。ですので、「早期発見、早期治療」が大事です。中高年で、「繰り返す陰部の赤み」がある方は、かならず、自己判断せずに皮膚科を受診してください。皮膚ガンの可能性があります!